どん)” の例文
旧字:
……と言うのが……何でもその日田の御金奉行の野西春行はるつらという若侍が、あの騒動の起って以来、毎日、御城内の大目付、川村どんのお役宅に押しかけて来て
成る限り大切だいじを取って極々の内密ないないに、しかも出来るだけよう下手人を探し出せと言う大目付からの御内達で、お係りのお目付、松倉十内どんも往生、垂れ冠って御座る。
さようなれば吾々も役目柄、その通りに大公儀へ申上げねばならぬが……サア、サア、サアとか何とか難癖をつけて催促をしおるらしい。さすが明智の川村どんも弱り切って御座るという話……