“槖駝師”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うえきや50.0%
たくだし50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
槖駝師うえきや剪裁せんさいの手を尽した小庭を通って、庫裡くりに行く。誰も居ない。尾の少しけたとしりた木魚と小槌こづちが掛けてある。二つ三つたゝいたが、一向出て来ぬ。四つ五つれよとたたく。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
坂の下は黒暗暗こくあんあんとして何も見えなかった。生垣があり槖駝師うえきやの植木があって、人家は稠密ちゅうみつと云うほどでもないが、それでもかなり人家があるので、の一つも見えないと云うはずがなかった。
馬の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
うちうめかれしをお出入でいり槖駝師たくだしそれなるものうけたまはりて、拙郎やつがれ谷中やなか茅屋ぼうおくせきれしみづ風流みやびやかなるはきものから、紅塵千丈こうじんせんぢやう市中まちなかならねばすゞしきかげもすこしはあり
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
茶山は阿部邸に帰つた後、槖駝師たくだしをして盆梅に接木せしめた。枝は幸にして生きた。茶山はわづかに生きた接木の、途次にやぶられむことを恐れて、此盆栽の梅を石田梧堂に託した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)