榾明ほたあか)” の例文
「朝顔に急がぬ膳や残りきやく」「ひそひそと何料理れうるやら榾明ほたあかり」「初秋の心づかひや味噌醤油」「大事がる馬の尾づつや秋の風」
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
頸珠くびだまの色、耳環みみわの光、それから着物の絹ずれの音、——洞穴の内はそう云う物が、榾明ほたあかりの中に充ち満ちたせいか、急に狭くなったような心もちがした。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その声にふと眼がさめた時、涙は実際彼のほおに、冷たいあととどめていた。彼はそれから身を起して、かすかな榾明ほたあかりに照らされた、洞穴ほらあなの中を見廻した。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
窓障子まどしょうじの破れからのぞいて見ると、榾明ほたあかりに照された壁の上に大きい影が一つうつっていた。しかし影の持主はのぞいている角度の関係上、どうしても見ることは出来なかった。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)