業火ごふくわ)” の例文
一たび愛慾の迷路めいろに入りて、七五無明むみやう七六業火ごふくわさかんなるより鬼と化したるも、ひとへに七七なほくたくましきさがのなす所なるぞかし。
そこにはたとひ娑婆苦しやばくはあつても、地獄の業火ごふくわは燃えてゐない。けれども正宗氏はこの地面の下に必ず地獄をのぞかせてゐる。
そして牧師があすこで云はうとしてゐるやうに、確かに最もいかめしい神の裁き、消しがたい業火ごふくわ、死ぬことのない蟲けらの地獄にちて行くのが當然なのだ。
闇の業火ごふくわを淨めなければならない
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
こればかりでも、隨分人の目を驚かす筆勢でございますが、その上に又、業火ごふくわかれて、轉々と苦しんで居ります罪人も、殆ど一人として通例の地獄繪にあるものはございません。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「それはうそをつくのと同じだ。嘘つきはみな硫黄ゐわう業火ごふくわに燃える湖に落ちなければなりません。兎に角リード夫人、この子を監督致させませう。テムプル先生にも他の教師にも云つて置きませう。」
こればかりでも、随分人の目を驚かす筆勢でございますが、その上に又、業火ごふくわに焼かれて、転々と苦しんで居ります罪人も、殆ど一人として通例の地獄絵にあるものはございません。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)