柏木かしはぎ)” の例文
柏木かしはぎ棟梁とうりやうの家——死んだ藤兵衞の家の裏口のあたりに、ゆらりと動く人影、錢形平次の早い眼が、それを見付けたのです。
かつて、木下きのしたさんの柏木かしはぎやしきの、矢張やつぱにはいけかへるとらへて、水掻みづかき附元つけもとを(あか絹絲きぬいと)……とふので想像さうざうすると——御容色ごきりやうよしの新夫人しんふじんのお手傳てつだひがあつたらしい。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
神南備かみなびの森の柏木かしはぎかしこきが皆あらはれて守る御代かな
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
柏木かしはぎが煙の如く花咲ける上にかさなる渤海の春
「錢形の親分さんで御座いますか。私は柏木かしはぎの在の者で、百兵衞と申しますが——」