“最先”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まっさき33.3%
まつさき20.0%
いやさき13.3%
さいさき6.7%
さき6.7%
まっさ6.7%
まつさ6.7%
やさき6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
佐々が気づいたとき、最先まっさきに感じたのは恐ろしい眩暈めまいであった。脳味噌が誰かののうちにギュッと握られているような感じだった。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
田の中をうねつた路が細い。十人は長い不規則な列を作つた。最先まつさきに沼田が行く。次は富江、次は慎次、次は校長……森川山内と続いて、山内と智恵子の間は少し途断れた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
混沌の蔓の最先いやさきにわななく
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
もし空谷子が初対面の人で、初対面の最先さいさきからこんな話をしかけたら、自分は空谷子をもって、あるいは脳の組織に異状のある論客ろんかくと認めたかも知れない。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
最先さきに歩めるかの二人が今しもまちの端にいたれる時、闇中あんちゅうを歩めるかの黒影は猛然と暗を離れて、二人を追いぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
確かに彼女は秀才の阿Q駆逐の一節を持ち出さなかったが、これだけでも阿Qに取っては非常に不利益であった。最先まっさきに村役人が尋ねて来て、彼の幕を奪った。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
ところがあくる朝、露のおりてゐる郵便箱を主人が開けて見ると、最先まつさきに出たのがX—新聞だつた。夕方もさうである。そして翌朝も翌夕もその通り。
姉弟と新聞配達 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
男主人公の大学教授は、自分にも意識しないが、日頃何んだか不満足を覚えて居る、といつて令閨に那処か欠点ありといふでもないが、何んだか不満足を覚えてゐる最先やさき、丸ぽちやの
未亡人と人道問題 (新字旧仮名) / 二葉亭四迷(著)