“時季”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じき50.0%
とき16.7%
シュン16.7%
シユン16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「君は今悪い時季じきなのだ。春がきて、それに健康が良くなると、もっと皆んなうまくゆくようになるのだ。身体を呉々も大切にしたまえ」
小さな部屋 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
壁に寄せて古甕ふるがめのいくつか並べてあるは、地酒が溢れて居るのであらう。今は農家は忙しい時季ときで、長く御輿みこしゑるものも無い。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
稲は相当に伸びているのに、苗代田はまだ水を張ったまま、豆も作らずにある。豆で思い出すが、此畠を荒すと謂われている郭公が、まだ時季シュンは過ぎないのに、初めから鳴いた事がない。
山の湯雑記 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
汽車にも時季シユンと言ふものがあつて、静かな気持ちで半日も乗り続けたことが忘れられないで、廻り道でもあり、目的地をふり替へなければならなかつたりするのだけれど
山の音を聴きながら (新字旧仮名) / 折口信夫(著)