“施(し)” の例文
今日の流行語を以ていえば、頑強に立憲的運動に反抗した墺太利(オーストリア)も普魯西(プロシア)も日耳曼(ゲルマン)列国もことごとく敗北して立憲政治を施(し)くに至った。
東亜の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
(七九)閭巷(りよかう)の人(ひと)、行(おこなひ)を砥(と)ぎ名(な)を立(た)てんと欲(ほつ)する者(もの)は、(八〇)青雲(せいうん)の士(し)に附(つ)くに非(あら)ずんば、惡(いづく)んぞ能(よ)く(名ヲ)後世(こうせい)に施(し)かん哉(や)。
今は施(し)姓ですが、母方のほうは李姓ですよ、所天(ていしゅ)が没(な)くなってから十年になりますが、男の子がないものだから、今にこうしております。
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
領政も施(し)いていない——いわゆる一土豪に過ぎないから、その家来といっても、主といっても、どこか粗野な風がある。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
財を軽んじ施(し)を重んじ、産業を事とせず豪嘯す。——こんなようにも記されてある。
岷山の隠士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その日の夕刻、騒擾(そうじょう)の分水嶺となるべき工部局の特別納税会議が市政会館で開かれた。戒厳令を施(し)かれた会館の附近では、銃劒をつけた警官隊と義勇隊とが数間(けん)の間を隔(お)いて廻っていた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
中国には前記のほかに「包公案(ほうこうあん)」「狄(てき)公案」「施(し)公案」「彭(ほう)公案」「竜図(りゅうと)公案」などの「公案もの」といわれる多くの裁判物語があるが、この公案ものの方は本になった地代が新しいために
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
よく士を愛し、施(し)を好むお方だった。嫡男の八幡太郎義家公については云うまでもない。——それやこれ鎌倉こそは源氏に由緒(ゆかり)の深い第一の地と思う。——要害の点も、この地方とは、比較にならぬ
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)