新月にひづき)” の例文
我等は堤に沿ひて來れる一群ひとむれの魂にいであへり、さながら夕間暮れ新月にひづきのもとに人の人を見る如く 一六—
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
新月にひづきの早や照りながらみづみづし南天の星の満ちのこまかさ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
夏くれば君が矢車みづいろの浴衣の肩ににほふ新月にひづき
短歌 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
かけあげなと言れてハイと答へなし勝手口かつてぐちより立出るは娘なる年齡としのころまだ十七か十八こうまつの常磐のいろふかき緑の髮は油氣あぶらけも拔れどぬけ天然てんねん美貌びばうは彌生の花にも増り又中秋なかあき新月にひづきにもおとらぬ程なる一個の佳人かじん身にはたへなる針目衣はりめぎぬ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)