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揚羽
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あげは
ふりがな文庫
“
揚羽
(
あげは
)” の例文
と
籠
(
かご
)
を
開
(
あ
)
ける、と
飜然
(
ひらり
)
と来た、が、此は純白
雪
(
ゆき
)
の如きが、嬉しさに、
颯
(
さっ
)
と
揚羽
(
あげは
)
の、
羽裏
(
はうら
)
の色は淡く黄に、
嘴
(
くち
)
は
珊瑚
(
さんご
)
の
薄紅
(
うすくれない
)
。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、この
市井
(
しせゐ
)
の一
些事
(
さじ
)
らしい『
揚羽
(
あげは
)
のお艶』の噂が、飛んだ凄まじい事件に發展しやうとは、錢形平次も思ひ及ばぬことだつたに違ひありません。
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
出口に花をつけた
桐
(
きり
)
の古木があった。羽の黒い大きな
揚羽
(
あげは
)
の
蝶
(
ちょう
)
がひらひらと広栄の眼の前を流れて往った。
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「おお。ひとりは金の
揚羽
(
あげは
)
の
蝶
(
ちょう
)
、もう一名は浅黄地に
石餅
(
こくもち
)
を白く抜いた旗差物の持主にござりますか」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
縁側の
半
(
なか
)
ほどから奥の八畳の間に
書帙
(
しょちつ
)
や
書画帖
(
しょがちょう
)
などが
曝
(
さら
)
してある。障子も
襖
(
ふすま
)
も明け放してあるので、
揚羽
(
あげは
)
の
蝶
(
ちょう
)
が座敷の中に飛込んで来て、やがてまた庭の方へ飛んで行く。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
「オ! 三つ
追
(
お
)
い
揚羽
(
あげは
)
の蝶がへえってゆく。
宇都木
(
うつぎ
)
さまだぜ。絵のような景色だなア」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「いいえ、抱茗荷じゃござんせん、たしかに
揚羽
(
あげは
)
の蝶でございました、揚羽の蝶だから私は、これは備前岡山で三十一万五千二百石、池田信濃守様の御同勢だと、こう思うんでございます」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「あれは確かに
揚羽
(
あげは
)
の蝶の模様でしたね」
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と
籠
(
かご
)
を
開
(
あ
)
ける、と
飜然
(
ひらり
)
と
來
(
き
)
た、が、
此
(
これ
)
は
純白
(
じゆんぱく
)
雪
(
ゆき
)
の
如
(
ごと
)
きが、
嬉
(
うれ
)
しさに、
颯
(
さつ
)
と
揚羽
(
あげは
)
の、
羽裏
(
はうら
)
の
色
(
いろ
)
は
淡
(
あは
)
く
黄
(
き
)
に、
嘴
(
くち
)
は
珊瑚
(
さんご
)
の
薄紅
(
うすくれなゐ
)
。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
娘お絹、血潮の中に浸つた、美しい
揚羽
(
あげは
)
の蝶を思はせる娘は、母親お篠の腕の中に、最後の
痙攣
(
けいれん
)
を
委
(
ゆだ
)
ねて、白い額を見せて、ガクリと仰向きました。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
身を
翻
(
かえ
)
すとお紋は、大きい
揚羽
(
あげは
)
の
蝶
(
ちょう
)
のように、ヒラリと
襖
(
ふすま
)
の蔭へ隠れました。多分お勝手の指図でしょう。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
袂
(
たもと
)
が中に、袖口をすんなり、白羽二重の裏が
生々
(
いきいき
)
と、女の
膚
(
はだ
)
を包んだようで、
被
(
き
)
た人がらも思われる、裏が通って、
揚羽
(
あげは
)
の蝶の紋がちらちらと羽を動かすように見えました。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
身を
飜
(
かへ
)
すとお紋は、大きい
揚羽
(
あげは
)
の
蝶
(
てふ
)
のやうに、ヒラリと襖の蔭へ隱れました。多分お勝手の指圖でせう。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
飛んで、忍び返しに引っ掛るわけはねえ、それに江島屋には、
揚羽
(
あげは
)
のお
艶
(
えん
)
という、若い男をフラ/\にさせる、結構な餌が居るんだ、恋患いの講中を、片っ端から洗って見るがいい
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
飛んで、忍び返しに引つ掛るわけはねえ。それに江島屋には、
揚羽
(
あげは
)
のお艶といふ、若い男をフラフラにさせる、結構な
餌
(
ゑさ
)
がゐるんだ。戀患ひの講中を、片つ端から洗つて見るが宜い
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
揚羽
(
あげは
)
のお
艶
(
えん
)
というんだから、大したものでしょう」
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
揚羽
(
あげは
)
のお艶といふんだから、たいしたものでせう」
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
揚
常用漢字
中学
部首:⼿
12画
羽
常用漢字
小2
部首:⽻
6画
“揚羽”で始まる語句
揚羽蝶
揚羽屋