捗々はか/″\)” の例文
お雪伯母の眼は捗々はか/″\しくなかつた。彼女は黒い眼鏡をかけて毎日病院へ通つた。別段悪くもならなかつたが良くもならなかつた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
お蔭で赤塚氏はひどく腹をそこねた。そしてだらけきつた胃の腑を抱へて奉天へ来るには来たが、病気は捗々はか/″\しくはなほらなかつた。
て伊之助でございますが、お若さんが連れて逃げてくれろと申しましたを、義理だてをして捗々はか/″\しく相談に乗らないところから、男をうんといわする奥の手をだし
わが云ひ付けし事は中々にけ引かず。わが折入つて頼み入る事も、平然と冷笑あざわらふのみにして、捗々はか/″\しき返答すら得せず。奈美女の言葉添なければ動かむともせざるさまなり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
何分にも捗々はか/″\しく参りませんで、それについて誠にどうも……アヽ熱い、お國さま先達せんだっては誠に御馳走様に相成あいなりまして有難う、まだお礼もろく/\申上げませんで、へえ、アヽ熱い、誠に熱い