抱込かかえこ)” の例文
風が、どっと吹いて、蓮根市の土間は廂下ひさしさがりに五月闇さつきやみのように暗くなった。一雨来よう。組合わせた五百羅漢の腕が動いて、二人を抱込かかえこみそうである。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、親まさりの別嬪べっぴん冴返さえかえって冬空にうららかである。それでも、どこかひけめのある身の、しまのおめしも、一層なよやかに、羽織の肩もほっそりとして、抱込かかえこんでやりたいほど、いとしらしい風俗ふうである。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこへ、手を伸ばすと、腹へ抱込かかえこめそうに見えた。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)