所思しょし)” の例文
彼女もし問ふものに向つてあらはに事の仔細を語る事を欲せずとせんか、代るに低唱微吟ていしょうびぎん以てその所思しょしを託せしむべき歌曲に乏しからざるべし。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
一方には大勢の学生を教育し、又演説などして所思しょしを伝え、又一方には著書飜訳ほんやく随分ずいぶん忙しい事でしたが、れも所謂いわゆる万分一をつとめる気でしょう。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その所思しょしを有志にはかりしに、大いに賛同せられければ、即ち亡夫の命日を以て、角筈つのはず女子工芸学校なるものを起し、またこの校の維持を助くべく、日本女子恒産会にほんじょしこうさんかいを起して、特志家の賛助を乞い
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
寒燈下所思しょししたたりょうしたる
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)