“懶(だ)” の例文
まだ乾き切らない湿気と鈍い日差しが皆の心も体も懶(だ)るくさせて、天気に感じ易い私は非常に不調和な気分になって居た。
追憶 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
かれはすぐ飯を食わすというと懶(だ)るそうに起きあがり、のそのそと僕のあとを跟(つ)いてきたのである。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
父親(てゝおや)は毀(こは)れかけた目覚し時計を扱ふやうに懶(だ)らけた頭に矢鱈(やたら)に螺旋(ねぢ)をかけてみたが、その一刹那花は酒や音楽と同じやうに神様が人間を娯(たのし)ませるために拵へられたものだといふ事に気が注(つ)いた。
舞台が懶(だ)れて芝居が演(し)にくくて仕方が無いと言ひ出した。