“惨心”の読み方と例文
読み方割合
さんしん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で、彼が縷々るるとして話しだす事々には微塵みじんの飾り気も偽りもなかった。二十年来の難行道の惨心さんしんは元よりのことである。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みだれた幕政と権力の百鬼を相手に、いかに兄憲房が、孤軍奮闘したことかと、その惨心さんしんが察しられる。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一方——父草雲はといえば、年ようやく不惑ふわくをこえること五年、いわゆる、彼の生涯の一期劃をなす「浅草草雲時代」の惨心さんしんいたましき行道に、はいっていたのである。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)