“患(や)” の例文
いっそ馬鹿とか白痴(たわけ)とか云われたのならば、清吉も左ほどには感じなかったかも知れないのですが、ふだんから自分も苦に患(や)んでいる自分の弱味を真正面(まとも)から突かれたので
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
先の家にいるとき、雨のなかを井戸へ水を汲みに行って、坂で子供を負(おぶ)ったまま転んで、怪我(けが)で前歯を二本かいたほかは、歯を患(や)んだことのない老人(としより)に、そう言って笑われた。
黴 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)