御衰微ごすいび)” の例文
世が世なら竹屋三位卿さんみきょうも、九重ここのえ歌会うたげ王廟おうびょう政治まつりに参じる身分、まさか、見張番まで勤めるのでもあるまいが、朝廷の御衰微ごすいび今より甚しきはなく
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
王室おうしつ御衰微ごすいびをなげくことと、戦国の馬塵ばじんにふみつけられてかえりみられないまずしい者をあわれむ心はつねに、この人々のむねえているところだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——底意そこいを申せば、弦之丞めも、当今、皇学尊重のふうを非義とは存じられませぬ、むしろ、ひそかに王室の御衰微ごすいびをなげいている一人なのでござります」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「尊王の美しき仮面めんをかぶるな。禁門の御衰微ごすいびを売りものにして、身を肥やそうとする曲者しれものの口癖」
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だのに、その御所の御衰微ごすいびの様といったらうか。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝廷の御衰微ごすいびの想像以上だったことである。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)