“得體”の読み方と例文
新字:得体
読み方割合
えたい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かうした苦しみがいつまでも續いたら、自分は遲かれ速かれ得體えたいの知れない幽靈のために責め殺されてしまふかも知れない。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
およそ得體えたいのわからないものほど恐ろしいものはない。人が幽靈を恐れるのは、そのものの正體がわからないからである。
散文詩・詩的散文 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
が、わたくしこころうへには、せつないほどはつきりと、この光景くわうけいきつけられた。さうしてそこから、ある得體えたいれないほがらかこころもちがあがつてるのを意識いしきした。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)