“弥生町”の読み方と例文
旧字:彌生町
読み方割合
やよいちょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの池から、一つの狭い谷が北のほうへ延びて、今の動物地質教室の下から弥生町やよいちょうの門のほうへ続いていた事が、土工の際に明らかになったそうである。
(新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
僕はあきらめに近い心を持ち、弥生町やよいちょうの寄宿舎へ帰って来た。窓硝子ガラスの破れた自習室には生憎あいにく誰も居合せなかった。僕は薄暗い電燈のした独逸文法ドイツぶんぽうを復習した。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
北どなり、水戸さまの中屋敷にむいた弥生町やよいちょうがわの通用門から、てんでにどんぶりや土瓶を持った老若男女ろうにゃくなんにょがあふれだし、四列ならびになってずっと根津権現ねづごんげんのほうまで続いている。
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)