“広子”の読み方と例文
読み方割合
ひろこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
広子ひろこ京都きょうとの停車場から東京ゆきの急行列車に乗った。それは結婚後二年ぶりに母親の機嫌きげんうかがうためもあれば、母かたの祖父の金婚式へ顔をつらねるためもあった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
広子ひろこは化粧道具や何かを入れた銀細具ぎんざいくのバッグを下げたまま、何年なんねんにもほとんど来たことのない表慶館ひょうけいかん廊下ろうかを歩いて行った。彼女の心は彼女自身の予期していたよりも静かだった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
広子ひろこは東京へ帰ったのち、何かと用ばかり多かったために二三日の間は妹とも話をする機会をとらえなかった。それをやっと捉えたのは母かたの祖父の金婚式から帰って来たよるの十時ごろだった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)