帳付ちょうづけ)” の例文
二十の年まで岡使おかづかい帳付ちょうづけをやり、阿媽マカオではポルトガル語を、呂宋ではイスパニヤ語を聞きおぼえこみ、片言で言葉が通じるようになったところで副財ふうさいにひきあげられた。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
番頭ばんとう幸兵衛こうべえは、帳付ちょうづけふでして、あわてて暖簾口のれんぐちかおしたが、ひと徳太郎とくたろう姿すがたるとてっきり、途中とちゅう喧嘩けんかでもしてたものと、おもんでしまったのであろう。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
亭主は村役場の小使に雇われたり、近隣の醤油問屋の帳付ちょうづけなどに雇われたりしたが三月みつきと同じところに勤めたことがない。これは、一つはこういう男の癖としてしょうであったからである。
凍える女 (新字新仮名) / 小川未明(著)