まは)” の例文
「ださうだね。なにしろ、ふねまはるか、富山とみやまのぼらないぢやあ、松島まつしま景色けしきろんずべからずと、ちやんといましめられてるんだよ。」
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その事で何日いつだつたか、まはつて来た郡視学と二時間許り議論をしたのよ。その時の面白かつたこと? 結局視学の方が敗けて胡麻化ごまくわして了つたの。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「それが実に乱暴なんです。壮士が十人も押掛けて来て、おまはりさんまで加勢して、否応いやおうなしに……。」
和解 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「遠いところよ。おまはりさん、とても優しくていゝひとだつたわ」
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
やかまし屋の郡視学がまはつて来て散々小言を言つて行つたのは、つい昨日のことである。視学はその時、此学校の児童出席の歩合ぶあひは、全郡二十九校の中、尻から四番目だと言つた。
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『先月、それ、郡視学がまはつて来ましたな?』
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)