“小戻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こもど66.7%
こもどり33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つかつかと行懸ゆきかけた与吉は、これを聞くと、あまり自分の素気そっけなかったのに気がついたか、小戻こもどりして真顔まがおで、眼を一ツしばだたいて
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さっき「今日は」と真先に立って来た娘がしげしげと私を振りかえって見ていたが小戻こもどりして不意に私を抱き上げて何も言わないで頬ずりした。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
(はい、)といって、小戻こもどりをして、黒塀の板戸の角、鴨川勝手口とある処へ引返ひっかえしたが、何となくそのこうべを垂れた。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これは、怪しからん。ふとすると先刻さっき遁失にげうせた悪漢わるもの小戻こもどりして、奪い取ったかも知れぬ、猶予する処でない。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)