“安箪笥”の読み方と例文
読み方割合
やすだんす100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とこには一度も掛替えたことのないらしい摩利支天まりしてんか何かの掛物がかけてあって、渋紙色しぶがみいろに古びた安箪笥やすだんすの上には小さな仏壇が据えられ
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
開ける時キイキイいやな音のする安箪笥やすだんす、そんなものは、うんとたまっていた古足袋ふるたびや、あかのついた着物をじ込んで、まだ土の匂いのする六畳の押入れへ、上と下と別々にして押し込んだ。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
二階は六畳に三畳の二間つづきであるが、前桐まえぎり安箪笥やすだんすと化粧鏡と盆に載せた茶器の外にはほとんど何にもない。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)