安樂あんらく)” の例文
新字:安楽
安樂あんらくに暮しなん若又惡事露顯する時は互ひに命を落す而已のみなり今一はたらきなすべしと申ければ兩人は異議いぎに及ばず然ば大金まうけに掛らんと其相談さうだん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
讀書どくしよいたづらに人の憂患わづらひすのみのなげきは、一世いつせい碩學せきがくにさへあることだから、たん安樂あんらくといふ意味から云ツたら其もからうけれど、僕等はとても其ぢや滿足出來ないぢやないか。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
またいにしへ六部等ろくぶら後世ごせ安樂あんらくぐわんかけて
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
かうふりける又野尻宿のじりじゆくの與惣次の實家は縁類えんるゐの者を以て養子となし其の身は傳吉方へ引取れ一生安樂あんらくすごしお專も其後子供幾多まうけければ傳吉が取計とりはからひにて實家森田やの家名かめい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とふらふこそ誠の安樂あんらく成んとて幡隨院ばんずゐゐんの弟子となり剃髮ていはつ染衣ぜんいに状を變名を自貞じていと改め淺草あさくさ今戸にいほりを結び再法庵さいほふあんと號し母諸共におこなひ濟し安く浮世をすごせしとかやいほりの壁に種々いろ/\和歌わかありけるが其中に
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)