“孤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひと44.4%
みなしご27.0%
14.3%
ひとり6.3%
みな3.2%
1.6%
みひとつ1.6%
わし1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
松の間から見えるひとが、秋の空の下で、燃え立つように赤かった。しかしそれが唐辛子とうがらしであると云う事だけは一目ですぐ分った。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此女は八右衛門の歿後に里方法成寺ほじやうじ村の門田氏に帰り、男子なんし一人はみなしごとなつて門田政周せいしうに養はれ、其子儀右衛門政賚せいらいの弟にせられた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
いやいや徳はならずで、貴公がそれがしの旧主、鴻家こうけの姫を助けだしてくれた義心に対して、自分も義をもってお答え申したのみです。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宮は何時いつまでここに在らん、我は例のひとりなり。思ふに、彼の悔いたるとは誠ならん、我の死をゆるさざるも誠なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「赤坂の築城はむだだ。——地形、兵糧からみても百日とはささえがたい。よしまた守りえても、笠置がたん。——笠置が陥ちたあとの赤坂城はみなし児にもひとしかろう」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ばやとおもことひさしけれど、
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
むしろ我がみひとつ煢然けいぜんたる影をも納めて、野に山に棄つるがごとく、絶所、僻境へききょうを望んで飛騨山中の電信局へ唯今赴任する途中である。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
王いわく「吾子よ汝は善くした、それじゃ彼のほおひげを数え見よ、汝も知る通りすべて三九二十七毛あるはずだ、一つでも足らなんだら汝はわしに布二匹をはらわにゃならぬ」