たおや)” の例文
多くの記念塔の頸輪くびわをつけ、悧発りはつげな無頓着むとんじゃくさで伸びをして、またそぞろ歩きの美人のように、自分の美しさに微笑ほほえんでいる、身こなしたおやかな優美な河であった。
いや、いや、白馬の毛並の見事さや、背の鞍の華麗などはまだいうもおろかであった。その駒に続いて、後ろから歩みもたおやかに、世間の風にも怖れるもののように、楚々そそと姿をあらわした美人がある。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実用主義は強張った理論をたおやかにして仕事に着かせる方法である。
哲学入門 (新字新仮名) / 三木清(著)