天満組てんまぐみ)” の例文
ウーム、この山には、自分のほかに、まだ一人の同志がいる……。何といったっけ、オオ俵一八郎、俵一八郎、かれはたしかに大阪表の天満組てんまぐみ同心だ。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天満組てんまぐみとは北組の北界きたざかひになつてゐる大川おほかはより更に北方に当る地域で、東は材木蔵ざいもくぐらから西は堂島だうじま米市場こめいちばまでの間、天満てんま青物市場あをものいちば天満宮てんまんぐう総会所そうくわいしよ等を含んでゐる。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
町奉行になつて大阪に来たものは、初入式しよにふしきと云つて、前からゐる町奉行と一しよに三度に分けて市中を巡見する。初度しよど北組きたぐみ、二度目が南組、三度目が天満組てんまぐみである。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「さて、このあとの御沙汰が、吉とくるか、凶とくるか。……この書付一本が、天満組てんまぐみの俺たちや、甲賀家のお千絵様、また弦之丞様たちが、一生涯浮沈ふちんの分れ目……」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天満組てんまぐみの一部の者や、また江戸方の隠密おんみつ中に、執念しゅうねく目をつけているやからがありますとやら
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無論そうなれば、あのお方一代のほまれ、甲賀の家にもふたたび花が咲こうし、十年以上も暗闇の手探りをしていた天満組てんまぐみの俺たちも、さすがに目がいていたといわれるだろう——。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天満組てんまぐみ三人のうち、たわら一八郎は阿波屋敷に捕えられ、鴻山はぬきや屋敷を去って以来、紀州の奥にでも隠れているのだろうという噂をきいたままで、今は、実際のもくろみにかかって働いているのは
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天満組てんまぐみの常木鴻山もたわら同心もすばらしい活躍をした。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)