けれども摂津国せっつのくにまでると、大国主命おおくにぬしのみことめられて、おかがることができないので、しばらくはうみの上にんでいました。
赤い玉 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
『古事記』にも、須佐之男命すさのおのみことの女須勢理毘売すせりびめが、大国主命おおくにぬしのみことに蛇の領巾ひれを授けて、蛇室中の蛇を制せしめたとあれば、上古本邦で女がかかる術を心得いたらしい。
この女性は、神代に於ける第一の艶福家大国主命おおくにぬしのみことのために、嫉妬の犠牲となった痛ましい女性である。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
祭神は大国主命おおくにぬしのみこと事代主命ことしろぬしのみこと宇賀魂命うがのみたまのみことの三座で祭日は九月九日であって「相伝うこの神はタタラ師の持ち来たりし神なりと、ゆえに金鋳護かないごの神ともいう。また山の神ともいう」
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「大国魂命と大国主命おおくにぬしのみこととはちがいますか。」とまた一人が訊ねた。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
といって、こしにつるしたつるぎいて、うみみずをかきまわしますと、みるみるそこへりっぱな御殿ごてん出来上できあがりました。大国主命おおくにぬしのみことはそれをごらんになると
赤い玉 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
むかし神代かみよのころに、大国主命おおくにぬしのみこと幸魂さきみたま奇魂くしみたまかみさまとして、このくにわたっておいでになった大物主命おおものぬしのみことは、のち大和国やまとのくに三輪みわの山におまつられになりました。
三輪の麻糸 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
これも大国主命おおくにぬしのみことが、八千矛やちほこをつえについて、国々くにぐにをめぐってあるいておいでになるときのことでした。
赤い玉 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)