塁壁るいへき)” の例文
いどめども応ぜず、ただ塁壁るいへきを堅くして、少しも出て来ない仲達は、あたかも羞恥しゅうちを深くかくして、ひたすら外気を恐れ
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一方その形もあるいは塁壁るいへきのように堅固な、または木柵もくさくのようなもろさを思わせるなど種種様様の味と感じを与える。
独り碁 (新字新仮名) / 中勘助(著)
海岸から折れて一丁も行かない中に、目指す石の塁壁るいへきにぶつかる。鬱蒼うっそうたる熱帯樹におおわれこけに埋もれてはいるが、素晴らしく大きな玄武岩の構築物だ。
されば走者がこの危険の中に身を投じて唯一ゆいいつ塁壁るいへきたのむべきは第一第二第三のベースなり。
ベースボール (新字新仮名) / 正岡子規(著)
そのかみ、いかなる王侯が居を構えていたものか、規模広大な山城であるが、山嶂さんしょう塁壁るいへき望楼ぼうろうはすべて風化し、わずかに麓門ろくもんや一道の石階せっかいなどが、修理されてあるかに見える。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)