土蔵どざう)” の例文
旧字:土藏
僕の知つてゐた大紙屋は封建時代に変りのない土蔵どざう造りの紙屋である。その又薄暗い店の中には番頭や小僧が何人もいそがしさうに歩きまはつてゐた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
此ひゞきにやありけん(里言につらゝをかなこほりといふ、たるひとは古言にもいふ)本堂につもりたる雪の片屋根磊々ぐら/\となだれおち、土蔵どざうのほとりに清水しみづがゝりの池ありしに
あらゆる記憶の数々かず/\が電光のやうにひらめく。最初地方町ぢかたまちの小学校へ行くころは毎日のやうに喧嘩けんくわして遊んだ。やがてはみんなから近所の板塀いたべい土蔵どざうの壁に相々傘あひ/\がさをかゝれてはやされた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
くらき土蔵どざうへいれられぬ。
どんたく:絵入り小唄集 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
白壁の土蔵どざうの二階
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
大川おほかはは前にも書いたやうに一面に泥濁どろにごりに濁つてゐる。それから大きい浚渫船しゆんせつせんが一艘起重機きぢゆうきもたげた向う河岸がしも勿論「首尾しゆびの松」や土蔵どざうの多い昔の「一番堀いちばんぼり」や「二番堀にばんぼり」ではない。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あけやすき土蔵どざうの白き壁
自選 荷風百句 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「僕のうち土蔵どざうの中には大砲おほづつ万右衛門まんゑもん化粧廻けしやうまはしもある。」
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)