因果応報いんがおうほう)” の例文
はじめ外国がいこくおしえだといってきらっていたものも、太子たいしがねっしんに因果応報いんがおうほうということのわけをいて
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
辻駕籠をはじめてからもう半年近くになるが、いっこう芽が出ないというのも、いわば因果応報いんがおうほう。アコ長のほうは、先刻ご承知の千成瓢箪せんなりびょうたん馬印うまじるしのような奇妙な顔。
「したともさ。それから現にしつつあるともさ。それが君の余裕にたたられている所以ゆえんだね。僕の最も痛快に感ずるところだね。貧賤ひんせん富貴ふうきに向って復讐ふくしゅうをやってる因果応報いんがおうほうの理だね」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかしまたれとするような因果応報いんがおうほうの世の中でもあると思った。
春:――二つの連作―― (新字新仮名) / 岡本かの子(著)