回復とりかへ)” の例文
其日、丑松は学校から帰ると直に蓮華寺を出て、平素ふだんの勇気を回復とりかへす積りで、何処へ行くといふ目的めあても無しに歩いた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
男はほつと息をついた。そして謹んで電話をかけて石炭を催促した。石炭と女房かないと——双方どちらとも回復とりかへしたやうな嬉しさを感じたのは、それからものの十分も経つてからだつた。
斯う叔父さんは言つて居たが、しかし急激な動揺——新婚の為に起つて来た——が次第に沈まり、張詰めた気も緩むにつれて、お節は平素いつもの調子を回復とりかへした。矢張やつぱりお節はお節であつた。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)