古箪笥ふるだんす)” の例文
部屋の隅にある古箪笥ふるだんすに眼をつけると立ち上がって、その上の何やら斑点しみのあるのを透して見た上懐ろ紙を出して静かに拭きました。
古箪笥ふるだんす行李こうりなどのあるそばで狭い猫の額のような庭に対して、なまりぶしの堅い煮付けでかれらは酒を飲んだり飯を食ったりした。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
徳さんはしびれを切らして寝てしまったが、夜なかに眼をさましてみると、くに子は古箪笥ふるだんすもたれて、坐ったまま眠っていたそうであった。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
夜の目も寝ずに五十両たらずかと思うても、矢張やはりまとまった金だ。持て帰って、古箪笥ふるだんすの奥にしまって茶一ぱい飲むと直ぐ畑に出なければならぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
部屋の隅にある古箪笥ふるだんすに眼をつけるとそつと立ち上がつて、その上の何やら斑點しみのあるのを透して見た上懷ろ紙を出して靜かに拭きました。
女房のお靜は、母親から讓られた自分の古箪笥ふるだんすの中味の事などを考へて居りましたが、裸になつて賣つたところで、十兩とまとまるかどうか、甚だ覺束ないことです。