受人うけにん)” の例文
△「コレサ、それだがの、今聞いて居れば、遠い国から出て来て奉公をするのに、受人うけにんがねえから死んでしまうと云うのだろう、死ねば義理ある家が立てられねえとか云ったな」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いたはくれ候間惡人とはすこしも心得ず又彌七儀は私しには少し身寄みよりの者故勘兵衞儀奉公の受人うけにんと相成候處かれ取迯とりにげよりことおこりて終に御仕置に相成候得ば御公儀樣ごこうぎさまには御道理ごもつともの御仕置にも有べきが私しどもの身には彌七は本夫をつとかたきゆゑ討取うちとり候に違ひなく如何樣の御仕置に仰付おほせつけられ候とも御恨おうらみとは存じ奉つらずと思ひんで申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
江戸という所は桂庵けいあんと云うものがあって、奉公人の世話をするそうだが、それには受人うけにんがなければいけまいと思い、ふと考え付いたのは、十四年前に別れた実父鹽原角右衞門様は
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
長「不具になったって、受人うけにんを入れて奉公に来たんじゃアないか、さ早く致せ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
幸い手蔓てづるが有ったから、縁を求めての東山作左衞門方へ奉公の約束をいたし、下男の丹治が受人うけにんになりまして、お千代は先方へ三ヶ年三十両の給金で住込む事になりましたのは五月の事で
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)