助力たすけ)” の例文
が、馬越は自分の身體からだ靈魂たましひも、人の助力たすけを乞はないでは、一人立ちで生きて行く力のないことを思つて、さながら一種の乞食のやうな氣がした。
仮面 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
此方が此通りつまらぬ活計くらしをして居れば、お前の縁にすがつて聟の助力たすけを受けもするかと他人樣の處思おもはくが口惜しく、痩せ我慢では無けれど交際だけは御身分相應に盡して
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
空手くうしゅで、他人ひと助力たすけをかりずに働かなければならないものには、それほど手固い用意も必用だったであろうが、その場合の祖母の意見は、もうここまで来たという祖父の気のゆるみを
母は狂気きちがいのようになって、助力たすけを呼びながら、岸伝いに追馳けて行く。岸には大勢の人が測量をしていたのだけれど、唯あれあれと言うだけで、誰一人助けに行く者がない。行かないんじゃない。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
此方こちら此通このとほりつまらぬ活計くらしをしてれば、御前おまへゑんにすがつてむこ助力たすけけもするかと他人樣ひとさま處思おもはく口惜くちをしく、我慢がまんではけれど交際つきあひだけは御身分ごみぶん相應さうおうつくして
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大威張に出這入ではいりしても差つかへは無けれど、彼方あちらが立派にやつてゐるに、此方がこの通りつまらぬ活計くらしをしてゐれば、御前の縁にすがつてむこ助力たすけを受けもするかと他人様ひとさま処思おもはく口惜くちをしく
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)