別盃べっぱい)” の例文
それとなく別盃べっぱいむために行きたい気はしたが、新聞記者と文学者とに見られて又もや筆誅ひっちゅうせられる事を恐れもするので
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「しばらくの間、またそちの姿も見られなくなる。つまり今宵こよい別盃べっぱいじゃ、まあ一盃ひとつ受けてくれい」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その芳野へお移りになって外国航海と相成りしに後髪うしろがみをひかれる気はいたすものゝ、堂々たる軍人にして一婦人いっぷじんの為にひじをひかるゝは同僚の手前も面目なしとあって、綺麗に別盃べっぱいをお汲みなされ
『ちょうどよいではないか。数右衛門の行を祝って、どこかで別盃べっぱいむには』
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)