“切張”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きりばり75.0%
きりば25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浮世のやぶれめを切張きりばりの、木賃宿の数の行燈、薄暗いまで屋根を圧して、むくむくと、両国橋から本所の空を渡ったのである。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
めったに客は入れないでも、外見上、其処は体裁で、貼りかえない処も、切張きりばりがちゃんとしてある。私は人目をはばかりながら、ゆきかえり、長々とした四角なお百度をはじめるようになったんです。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
借家の格子戸こうしどがガタガタいって容易にかない。切張きりばりをした鼠色ねずみいろの障子にはまだランプの火も見えない。上框あがりがまち真暗まっくらだ。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)