凝滞ぎょうたい)” の例文
小牧の凝滞ぎょうたいを見て、天下の耳目じもくは、あわや図に乗りすぎた秀吉が、ここで大つまずきをやるのではないかと危ぶんでいたが、それも
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どれほど素直に育ったものか、そうまで凝滞ぎょうたいする俺を鬱陶しいとも思わず、それからは毎日のように俺の部屋へ遊びにくる。中庭から声をかけて散歩に誘いだす、遊戯をする。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
彼はなにゆえにかくの如きことをなせしや。彼はみずから曰く、「宿疴しゅくあの胸腹に凝滞ぎょうたいつかまつり、一円いちえん快愈のきざしこれ無きの姿に付き、一旦烏頭うず大黄だいおうの激剤相施し申さず候えば、とても功験得難く候」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
まだ世界の文化が非常に偏頗へんぱな状態にある証拠であり、従って大多数の人類がウィルソンの提議に現れたような正大な思想を、何の凝滞ぎょうたいも曲解も反抗もなしに、空気を吸い水を飲むように
激動の中を行く (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
「もとよりそれはお館にも御信頼のことにござりますが、兵法の上よりみて、中入りの地に凝滞ぎょうたいあるは、なんとしても、策を得たものではないと……」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何の扞格かんかく凝滞ぎょうたいも発見されず、極めて平和であるのです。
三面一体の生活へ (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)