“八衢”の読み方と例文
読み方割合
やちまた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ここに日子番の邇邇藝の命、天降あもりまさむとする時に、天の八衢やちまたに居て、上は高天の原をらし下は葦原の中つ國を光らす神ここにあり。
この俄崖とすれ/\に剥げた黒塀が構えられていて、その塀を越せばもう出前持が自転車で岡持を持ち運ぶ都大路の八衢やちまたの一つになっております。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
実際この寂しい川筋の景色も、幾多の冒険にれた素戔嗚には、まるで高天原たかまがはら八衢やちまたのように、今では寸分すんぶん刺戟しげきさえない、平凡な往来に過ぎないのであった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)