かたは)” の例文
「渠が旅行に出る度毎に女を拵らへて來ないことはない」とあるかたはらに、誰れかのいたづらで
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
明日あしたになさいな、ねえ!』と久子がかたはらから言つた、『吉野さんも然う遊ばせな何卒。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
と申さるゝ時麹町三丁目瀬戸物屋忠兵衞たゞちに白洲へ呼込よびこみと相成長庵のかたはらに蹲踞うづくまる是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かたはらにある衣桁いかうには、紅梅萌黄こうばいもえぎ三衣さんえを打懸けて、めし移りに時ならぬ花を匂はせ、机の傍に据ゑ付けたる蒔繪のたなには、色々の歌集物語かしふものがたりを載せ、柱には一面の古鏡を掛けて
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)