“便法”の読み方と例文
読み方割合
べんぽう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
当人の許諾を得た事実だけを田口に報告した方が、今更遅蒔おそまきのようでも、まだ気がいていやしないかと考えて、自分で自分を彼に紹介する便法べんぽうを工夫し始めた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうして神の投影を、心泉にうけていた頼房には、自身、たれより身近な幕府の親藩しんぱんでありながら、幕府などというものは、しばしの便法べんぽう機構か、朝廷の代務府だいむふぐらいにしか、考えられなかった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(ソバケーヴィッチは首を垂れて、じっと聴いていた。)しかし、その便法べんぽうがどんなに結構なことであるにしても、生きたもの同様に租税を払わされる以上、多くの地主にとってはかなり迷惑である。