こさ)” の例文
「無論うさ、夫婦といふものは、喧嘩をしながら子供をこさへて行くといふに過ぎんものなんだ。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
七月が來て觀音樣の晩になれば、町のわかい娘たちはいつも奇麗な踊り小屋をこさへて、華やかな引幕をひきその中で投げやりな風俗のうき々とさへづりかはしながら踊つた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
それからまた、我々われ/\の住むでゐる、社會には、何故人間をこさへる學校と人間を押籠おしこめて置く監獄とが存在してゐるのであろう。また何が故に別そうつてゐる人と養育院やういくゐんに入る人と。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)