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伊賀亮
以て大坂へ申
越ば然ば急々上京すべし尤とも
此度は大坂表へ
繰込の
節より
一際目立樣にすべしと
伊賀亮は萬端に心を
吟味に及ばれけるが只々
伊賀亮萬事を取計ひしゆゑ
委細は存じ申さずと云に然らばとて常樂院其餘の者を
吟味するに是も同斷の答へゆゑ入牢の上嚴重に
拷問を
手に持て
欣然として
控へたり
頓て言葉を發して九條家の浪人山内
伊賀亮とやらん其方の儀は常樂院より
具に
承知したり此度予に
仕んとの
志ざし
神妙に思なり以後
精勤を