“人馴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとな71.4%
ひとなつ28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうしてそのあとからあん人馴ひとなれない継子をあわれんだ。最後には何という気の毒な女だろうという軽侮けいぶの念がいつもの通り起った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
応対のしとやかにして人馴ひとなれたる、服装みなりなどの当世風に貴族的なる、あるひ欧羅巴ヨウロッパ的女子職業に自営せる人などならずや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
長い木刀を横にさし、大きな笠を背負っている侏儒こびとのような小僧である。朱実がにらむと、まるッこい眼をぐりぐりうごかし、人馴ひとなつっこい歯をいてにやりとした。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも今、彼の跫音あしおとに、ふとその辺の岩蔭から、すっと起って、こっちを振り向いた白衣びゃくえの人影があった。人馴ひとなつっこく智深のほうへ近づいてでもくるのかと思うと、白い人影は、彼を見て
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)