“人跡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じんせき88.2%
ひとあと11.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから、ロビンソン、クルーソーみたように難船にって一人ッきり、人跡じんせきの絶えた島に泳ぎ着くなんかも随分面白かろうと考えるんです。
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
臨湍寺りんたんじの僧智通ちつうは常に法華経ほけきょうをたずさえていた。彼は人跡じんせきれなる寒林に小院をかまえて、一心に経文読誦どくじゅを怠らなかった。
人跡ひとあと絶えた山道には、人力車の通うすべもなかったので、二人の若い男女は、たがいに助け合いながら、蔦葛つたかずらう細道を、幾時間いくじかんとなくさまよい歩いた。
うららかに晴れて、黄昏か、朝か、気すずしくして、仲秋のごとく澄渡った空に、日も月の形も見えない、たとえば深山みやまにして人跡ひとあとの絶えたる処と思うに、東西も分かず一筋およそ十四五町の間
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)