“不吉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふきつ82.4%
ふきち8.8%
けち5.9%
いや2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此の婚礼に就いて在所の者が、先住のためしを引いて不吉ふきつな噂を立てるので、豪気がうき新住しんじう境内けいだいの暗い竹籔たけやぶ切払きりはらつて桑畑にしまつた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
今日はわけても霧の深い日で、ポー、ポーとならす笛の音も、何となく不吉ふきちなしらせをするように聞かれるのであった。
おさなき灯台守 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
「万一のことがあると先方へ不吉けちがつく。口をきいたことがないけれど、心の底から愛している人だ。僕の不幸の暗影をかりそめにも投げかけたくない」
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
……手前の不吉いや前科こうらも知らねえでノメノメとこの船へ押しかけて来やがったのが癪にさわるんで……遠慮しやがるのが当前あたりまえだのに……ねえ……親方……
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)