下職したしょく)” の例文
暗いうちに起された職方の棟梁たちは、何事が起ったかと、各〻の下職したしょくいて、次々にやって来た。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「植木屋の下職したしょくなどを、いくら想ったところで、どうなるものでもない。じぶんには、父のきめたれっきとした良人おっとが、いまにも伊賀から乗りこんでこようとしている……」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
源六はそこでほっと太息といきをついた、「……その頃はうちでも下職したしょくの二人くらいは使っていた。 ...
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
お金が残らずきもを冷やしてその日暮し、晩酌ばんしゃくも二合を越えず、女房にょうぼうと連添うて十九年、ほかの女にお酌をさせた経験も無く、道楽といえば、たまに下職したしょくを相手に将棋をさすくらいのもので
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)