“上履”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うはぐつ25.0%
うわばき25.0%
スリッパー12.5%
うわぐつ12.5%
うわば12.5%
スリッパ12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四時半にはモウ共立病院の室々に洋燈ランプの光が華やぎ出して、上履うはぐつの辷る程拭込んだ廊下には食事の報知しらせの拍子木が輕い反響を起して響き渡つた。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
その男は流行上履うわばきのような皮膚に端麗な眼鼻をもった美青年でした。が、彼が評判になったのはそのためではありません。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
兄の二階へ上がる足音はそれほど強くはなかったが、いつでも上履スリッパーを引掛けているため、ぴしゃぴしゃする響が、下からよく聞こえた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
旦那さんが泥だらけの靴をいだら、僕がそいつを廊下へ持って出る。だが、エルネスチイヌ姉さんは、上履うわぐつを持ってくる権利をだれにも譲らないんだ。自分で刺繍ししゅうをしたからなんだ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
彼は、鞄を開き、刷毛や上履うわばきを包んでいる紙が、欠伸あくびをしながら、こそこそ話をするのをいていることができる。
長くいた引きずその、二枚重ねのつまさきは、柔らかい緑色の上履スリッパつまさきにすっとなびいている、紫の被衣ひふのともいろのひもは、小高い胸の上に結ばれて、ゆるやかに長く結びさげられている。
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)