万八まんぱち)” の例文
武者絵むしゃえの元祖といってもいい人で、よく両国の万八まんぱち——亀清楼かめせいのあるところ——に画会があると、連れていってくれたものだ。
折から校書かうしよ十数輩と共に柳橋万八まんぱちの水楼に在りし、明子の夫満村恭平と、始めて一夕いつせきくわんともにしたり。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
おおよそは何かしらに拠って、手製の万八まんぱちを無遠慮に加えず、斯様こうも有ったろうというだけを評釈的に述べて、夜涼の縁側に団扇うちわふるって放談するという格で語ろう。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
現にその日も万八まんぱちの下を大川筋へ出て見ますと、大きく墨をなすったような両国橋の欄干らんかんが、仲秋のかすかな夕明りをゆらめかしている川波の空に、一反ひとそった一文字を黒々とひき渡して
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)